「見栄えの良いチラシは作れているが、反応がない」— 総合型クラブ・少年団で頻発する悩みです。原因は「配って終わり、あとは出たとこ勝負」の姿勢。チラシを受け取った地域住民が「どういうルートで申込みをするか」までイメージしてから設計すると、反応率は劇的に変わります。
クラブマネジャーが見落としがちな部分
チラシ作成のプロセスをよく見ると、多くのクラブは「イベント着想→チラシ作成→印刷→配布」までは真剣に取り組みますが、「地域住民が閲覧してから申込するまでの流れ」にはあまり関心を寄せていません。この部分こそが反応率を左右します。
実例:小学生向け体操教室の2つの申込パターン
来年度4月から小学4年生向けの体操教室を実施する場合、地元小学校でチラシを配布すると2つの申込パターンが考えられます。
パターン①:子ども主導
「ママ、この教室行ってみたい!」と子ども自身がチラシを見て親にお願いするケース。
パターン②:保護者主導
「うちの子にやらせてみようかしら」と保護者がチラシを見て子どもにやらせたいと思うケース。
同じ体操教室のチラシでも、どちらのパターンを狙うかでデザインの方向性が真逆になります。
パターン別のチラシデザイン
| 要素 | パターン①(子ども主導) | パターン②(保護者主導) |
|---|---|---|
| 色使い | 暖色系・カラフル・楽しそう | 信頼感のある落ち着いた色 |
| フォント | 丸め・ふりがな付き | しっかり・読みやすい |
| キャッチコピー | 「あっという間に側転が出来る!?」 「先生と一緒にあそぼう!」 「放課後にヒマな子あつまれ!」 |
「なぜ体操教室に行くと学力があがるのか?」 「『ママ、できない』を『ママできた!』に」 |
| 気になること (親側の課題感) |
— | 送迎・保護者当番・指導者の信頼性 |
| キラーフレーズ | 子どもがワクワクする言葉 | 「保護者当番一切ナシ!」「小学校まで送迎」「プロの指導者資格保有」 |
参考実例:ある一般社団法人のチラシ(パターン②)
- 「何をやらせたら良いのか分からない…」「うちの子は運動苦手だから…」といった保護者の気持ちを代弁してから解決策を提示
- 指導者資格を明記
- Instagramアカウントを明記(指導者を検索できる)
- 【キットパスとは?】と種目説明を丁寧に
- 後援・協力団体を明記
- クラブHPがあるとよりgood
保護者が「うちの子にやらせたい!」と思うことを意図した設計になっています。
参考実例:みえスポーツクラブ(豊後大野市)
対象によってフォントや申込方法を変えている優秀な事例。
子どもを持つ家庭向け
- 子どもの写真を明記(保護者が自分の子どものイメージを湧かせやすい)
- Google Formsで申込
地元の高齢者向け
- 申込方法はFAXで受付(対象者に合わせた選択)
- 地元向けなので地図は最小限
「どのような参加者にどのような申込方法をしてほしいか」を整理した好例です。
高齢者向けの申込パターン設計
先の「佐藤のりこさん向け足腰改善教室」を例に、想定される3つの申込パターン。
- 本人主導:高齢者自身が「これだったら私も行けるかも…」と思い申込
- 家族主導:娘さんがチラシを読み、「私の母と一緒に行こう」と申込
- キーパーソン主導:民生委員やかかりつけ医が「佐藤さん好きそう」と誘う
各パターンでチラシの届け方・訴求ポイント・申込方法を変える必要があります。
商用可能なフリーイラストサイト
| サイト名 | 特徴 | 素材量 |
|---|---|---|
| Shigureni free illust | 素朴な女の子のイラスト | 少なめ |
| ソコスト | シンプル・色も自由指定可 | 少なめ |
| いらすとや | 多くのチラシで使われている | 非常に多い |
| ベクターシェルフ | おしゃれなカフェのイメージ | 普通 |
| イラストマン | 子どもも分かりやすい | 多い |
今日から始めるアクション
- 次のチラシを作る前に「想定される申込パターン」を3つ書き出す
- 各パターンで「誰が読むか」「何に反応するか」を整理
- 1つのチラシで全パターンを狙わず、1パターンに絞ってデザインする
- 配布後の反応(申込数・申込者属性)を必ず記録し、次回に活かす
編集後記
チラシは「配って終わり」ではなく「読んで、動いてもらう」ためのツール。申込パターンから逆算した設計で、反応率は2倍・3倍と変わります。次のコラムでは「集めた人が続けてくれる仕組み」を扱います。集客と定着は表裏一体です。
— 地域スポーツ運営ナビ 編集部